コラム

【コラム第1回】給水方式の種類と違い

投稿日:2020年2月4日 更新日:

 こんにちわ。株式会社ジェス診断設計の力(ちから)です。
 ホームページ・リニューアルも落ち着きましたので…これから少しずつ、給排水設備の改修手法・仕様選定やマンション・リニューアルのアレコレについて、コラムでも書いて行こうと思います。

 栄えある(?)第1回は「給水方式の種類と違い」。

 まず給水方式とは、

水供給事業者(水道局など)から供給される水を、各階層・各住戸へどのような方法で届けているか。

これを給水方式と呼んでいます。給水方式とその構成機器をひっくるめて、給水装置とも呼ばれます。
 集合住宅で採用されている給水方式、現在の主流は大きく分けると次の4種類です。

□受水槽・高置水槽方式

 

□加圧(圧送)給水方式

 

□直結増圧給水方式

 

□直結直圧給水方式

 

 大規模団地では「給水塔」を使用していたり、建物の構造によって複数の給水方式を組み合わせている場合もあると思います。

 給水装置の設計基準・配水管の敷設状況・水理条件・建物規模により、採用可能な給水方式は異なりますので、必ず水道局や専門家に確認してください。


 給水装置の劣化により改修が必要になった時、そのまま更新する場合もありますし、現状の設備仕様や建物の状況を見て、不都合や不便であろう部分の改善提案をしたり、給水方式を全面的に見直す場合もあります。

 給水方式を見直す場合「どの給水方式が採用出来るか」というより、メリット・デメリットを比較しながら、マンション管理組合やビルオーナーが「重きを置くポイント」を引き出す、例えば…

 □メンテナンスの省力化、低コスト化

 □維持管理性や改修容易性の向上

 □機器類の小スペース化

 □災害時の応急給水対応

 □使用感の改善、上層階の水圧アップ

 □建物の積載荷重を減らしたい(耐震的に有利になる)・・・

など、色々な視点でディスカッションしながら、改修手法を提案しています。


 給水方式を比較すると、それぞれメリット・デメリットはありますが、各住戸へ水が供給できる事には変わりません(給水方式毎の特徴やメリット・デメリットは、また追ってコラムにします)。

 

 大きな違いがあるとすれば、給水装置を構成する機器の違い。

水槽に貯めるか・貯めないか

給水ポンプの制御が単純か・複雑か

給水ポンプがあるか・無いか

という単純な話なんですけど。

 

 給水装置はライフラインを担う設備。東日本大震災を機に、給水方式の考え方も見直されています。

 あるマンション管理組合では、理事会・修繕委員会・防災委員会などの組織が、改修工事設計と並行して災害時の水利用や運用に関する議論を行い、給水方式の選定に半年くらい掛けた事もあります。

 

 長くなりそうなので、第1回目はこれくらいにします。

 次回は、給水装置を構成する機器について書こうかな?と思います。

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